House-S 竣工レポート

夏の真っただ中

鎌倉にてHouse-Sが竣工しましたのでレポートをお届けします!

 

平屋のこちらのお家

建坪が大きいのでいつもより工期が長く

 

お施主さまには少しお待たせしてしまいましたが

写真で振り返ってみると

お施主さまとこんな話をしたな

現場で職人さんとあんなことを協議したな

などなど、ついこないだのようであっという間でした…

 

広いお家なのでレポートも長めでお届けします~

最後までお付き合いください!

 

 

まず外観とアプローチから。

手前に見えるボリュームはインナーガレージ。

 

ガレージの引戸と格子塀、そして玄関へ入る引戸

統一感を出すために

格子のピッチや高さをそろえて製作しました。

 

これらは全て、詳細図を引いて

職人さんに製作していただきました。

階段は、浮遊感だし軽やかに。

そしてタイルをコンクリートより少し勝たせて

シャープさを出しております。

 

 

引戸を開けると玄関へ向かうアプローチへ。

玄関の前には布袋竹を植えております。

竹はそのまま植えてしまうと伸びてしまうので

「根止め」を施します。

具体的には、根が伸びないように、竹を植える四方にコンクリートを地中1mほど打設します。

 

今回は建物の基礎の打設と同じタイミングで

根止め、先ほどの階段や引戸・格子戸、アプローチ周りのコンクリートを施工しました。

引戸や格子塀が設置されるのは工事の最後になりますので

現場中、出来上がりまでどきどきしておりました…。

 

根止めの仕上げには式瓦を。

ウッドチップ、式瓦、砂利、タイルのテクスチャが

素敵だなと思い、撮ってしまいました。

つい内装の仕上げに目が行きがちですが

外構の仕上げも重要だなと今回、感じました。

 

内部に入ると

中庭のあるコの字型プラン

まずはリビングから

 

以前ブログで紹介した製作のソファ

今回も活躍してくれました。

そして、試作しておりました

グレイッシュなフローリングはこちらのお家でした!

グレーのフローリングに合わせて

ソファも寒色系(青緑)に。

ソファの背後の壁は、銀もみ紙(ふすま紙)です。

 

ふすま紙や和紙はビニルクロスと違い、1cmほど重ねて貼っていきます。

重ね貼りをすると、写真のように↑うっすらと、重ねた跡が出てまいります。

和紙は一枚のサイズが決まっておりますのでインテリアを邪魔せずに

どのように割付るのか。。

現場で検討したのが懐かしいです。

 

リビングからは、中庭が望めます。

 

そして勾配天井に梁がみえてることにお気付きでしょうか…?

実はあまりacaaでは構造躯体を、インテリアとすることはあまりしません・・

(住宅雑誌などではよく見かけますが)

 

acaaで梁が露出している事例は遡ること16年前・・こちらのお家になります。

www.ac-aa.com

 

リビングを振り返ると

霧島のシラス壁が玄関まで続いています。

写真では分かりづらいですが、シラス壁の凹凸の表情が

とても素敵です。

 

壁の中で光っているのは、ショーケースになります。

 

進んでいくと、渡り廊下へ。

空間の雰囲気を変えるため、天井を低くし

灯籠のように足元に、照明を仕込んでいます。

旅館の渡り廊下のように、少し特別感がある空間に

仕上がったのではないかなと思っています。


進みますと和室へ。

濃紺の土佐和紙でしっとりとした雰囲気へ。

今回は畳寄せに名栗のフローリングを使用しました。

(私の案が採用されました!嬉しい)

畳寄せというのは畳をぐるっと囲む壁との干渉材です。

(※現場で納まりが大変だったのは内緒……)

名栗加工のフローリングは最近、人気で

採用されることが多いです。

裸足で歩くと凹凸の肌触りがよいので

和室や洗面所にぴったり。

 

 

 

続きましてダイニングへ

 

ダイニングのペンダントライトはお施主さまにお選びいただくことが多いのですが

今回はなんとお施主さま自作のガラスのペンダント

ご趣味のガラス工芸を生かして、製作していただきました。

世界に一つしかない、正真正銘のオリジナル照明です。

 

キッチンは少し雰囲気を変えて、ブラックを基調としたインテリアに。

カウンターはモールテックス。

上部棚には障子紙風のアクリル板(ワーロン)でできた引き違い戸を設えました。

引きやすくするために、ワーロンに丸い穴を開けるのですが

位置と大きさを現場で職人さんと、あーだこーだ言いながら

決めたのが懐かしいです。

結果的に使いやすく、見た目も良い位置になり、一安心…。

 

 

こちらはサンルーム

プレゼン時にお施主さまから

西洋の線的な建具と、庭を望む空間のイメージ写真を

多く頂戴しておりましたのでそれをどうにか実現できないかと。

こちらの建具や枠もディテールを起こし

大工さん、建具屋さん、塗装屋さん、金物屋さん、板金屋さん

様々な職人さんの総力で出来上がりました!!

 

サンルームとそれに続くテラス

天井にはさきほどのリビングと同じ梁と、トップライトを。

もちろんトップライトも、既製品ではなく製作品です!

 

リビングはサンルーム、テラスと、平面的に配置が続いておりますので

連続感を生み出すために、梁を見せております。

 

そしトップライトの日よけとして

ロールスクリーンを設置しました。

優しい雰囲気となる生地を選定し、少したわませて、空間づくりを。

 

 

 

またライムストーン的なからっとした雰囲気でリゾート感を出した

インテリアにしたかったので

壁にはライムストーン色のジョリパットを施しました。

(写真の色味がちょっと残念で申し訳ないです)

 

そして色付きのアンティークガラスで少し遊んでみました。

(どこかの色と一緒なのですが、お分かりでしょうか…?)

 

テラスから中庭を見る↑

個人的にはこの眺めが、とても気に入っています。

 

 

中庭を通り抜けると

アトリエへ。

 

青のガラスの壁のモザイクタイルと青緑の床タイルと先ほどのジョリパット。

acaaではあまり見ない、挑戦的な仕上げとカラー笑

この組み合わせ、絶対に素敵になるのはわかっているのですが

養生が外れるのは最後なので

出来上がりが待ち遠しかったです。

 

振り返ると先ほど紹介しました和室の棟。

方行屋根で離れ風にし特別感を。

 

アトリエ側とのギャップが凄いですよね笑

これがacaaらしさなのかなと個人的には思っています。

 

外壁は酸化黄を混ぜたモルタル

左官屋さんのコテの跡の雰囲気を出してくれています。

 

方行屋根の軒先はシャープに仕上げました。

そんな軒先に雨樋を付けてしまうのは残念ですので

雨落としとして、砂利を地面に施しています。

砂利止めとして、瓦を小端立てにしました。

瓦は屋根の瓦だけでなく、タイルや外構、、様々な用途に使えるんですね~

 

サンルームの色ガラスの壁の反対側は廊下になっております。

サンルームを介して、暗くなりがちな廊下にステンドグラスのように

光を届けてくれます。

 

そして浴室、洗面所。

 

一般的にはユニットバスが使われがちですが

できるだけacaaではこちらも職人さんの総力により、浴室を製作しております。

 

十和田石の浴室に、高野槙の浴槽。

白の洗面カウンター、そしてガラスのモザイクタイル

こちらも絶対に素敵な組み合わせになるに違いない!

ということで、良きお風呂になりました。

(私もこのお風呂、入ってみたい…)

 

何となくお気づきかもしれませんが

このお家、いろんな仕上げ材が使われております。。

 

改めてサンプルを集めて俯瞰してみますと

土佐和紙、十和田石、霧島のシラス壁、淡路の瓦、北海道産センのフローリング、青森ヒバ、、、、、ボツになりましたが、屋久島の杉材

北から南まで、日本全国から様々な建材が集まっております。

どうしても国産は値が張りますが

円安、地方創生、資源の持続可能性、、、このご時世だからこそ

日本のものを使っていきたいですね。

 

いかがでしたでしょうか・・。

一つの家とは思えないほど、様々な空間が広がっています。

ほぼ平屋のため断面的な操作は難しいですが

開口部の取り方、天井の形状や高さなど

少し工夫すると空間のバリエーションが生まれます。

 

暑さが落ち着いたころに

写真を撮りたいな~と思っています!

この度はご依頼いただきありがとうございました!

 

 

 

夏の葉山にお招きいただきました!

先日、葉山の「海と空へ」のお施主さまにBBQにお招きいただきました!

 

葉山でのBBQはこれで2回目。

海岸で行われる花火大会に合わせて伺いました。

毎年お誘いいただき、ありがとうございます!

 

 

今年の葉山の花火大会は交通渋滞への対策がなかなか難しいそうで

一色海岸と森戸海岸、それぞれ2日に分けて花火の打ち上げを行う

縮小モードにて行われました。

 

この日は森戸海岸で行われるということで、遠くにちらっと見えるかぁと思い

予定時刻に浜へ向かったのですが

いつになっても花火が見えない…。

 

同じく花火を待っていた方たちと一緒に情報収集をしたところ

どうやら、船上花火だったそうで

我々がいた浜では、残念ながら見ることができませんでした(泣)

 

しかし、日が落ちる直前の海と空は本当にロマンティックで

浜を散策するだけで、十分楽しめました。

富士山も見えました👀🗻

 

葉山の雰囲気、縁側のある佇まい、そしてお施主さまのお心遣い

幼少期の夏休みに親戚の田舎で過ごしたような感じがして

帰るのが大変名残惜しくなりました。

 

 

ちょっと早いacaaの夏休みでした!🌞🌞

 

製作ソファの小話

すっかり日がのびて暖かくなってきました🌞

 

 

 

さて最近、acaaでは製作ソファを採用することが増えてきました!

 

acaaの住宅は、時には壁が斜めになっていたり、不思議な寸法の空間があったり、いろんな要素(窓、造作家具等)が絡めあってできているため

そこにピッタリ合うソファというものは、もちろん販売されておりません(笑)

ですので、寸法も形もオリジナルで製作できるソファを作ることが多々あります。

 

ソファをつくることになった発端?は葉山の「海と空へ」二階にあるこのソファ↓

お施主様が「寝っ転がりたい」とおっしゃったことから始まりました笑笑

 

もともとは木製のベンチだったのですが、木製だと寝っ転がるのには

固くてイマイチだなと思い、であればソファを作ってしまおう!ということになったのです。

 

そして、ソファを作ってくれる業者探しが始まりました。

業者を探すにも、なかなかgoogleがヒットしてくれません・・

数件、それっぽいHPを見つけ、新人な私はドキドキしながら電話をし、ヒアリングをしていくとソファには硬さと生地があると!(当たり前ですが)

となると、お施主様とお好みの固さと生地をお選びしてもらう必要がある

→サンプルが必要!

 

とかくかくしかじか、ソファの中身のサンプルをお渡しいただける業者さんが見つかりました✨

こちらがソファのサンプルです↓

 

3段積んであるのですが、それぞれ黄色の部分の厚さが異なるのがお分かりになりますでしょうか?

この黄色の部分は柔らかいウレタンになっておりまして、このウレタンが厚ければ厚いほど柔らかいソファになります。

 

打合せではお施主様に実際に触ってもらい柔らかさを決めていただいております。

 

そして一番楽しみなのは生地選びですよね✨💛

ベロア生地のようなものから、機織りで織られたようなもの

色もたくさんあります。

 

ソファは工事の一番最後に取付られるので、完成形が見れるまでドキドキ

 

いくつか竣工写真がありますので、インスタグラムに投稿しております!

ぜひチェックしてください✨

 

塗料サンプル作成!

少し日が伸びて、もうそろそろ冬が終わる季節ですね。早川です。

さて先日、事務所で木材の塗装サンプルを作っておりました。

 

acaaでは、キッチンや洗面所の家具、建具を大工さんや職人さんの手によって製作してもらっています。

素材は木質系のため塗装を施し、色はフローリングと近い色を目指しております。

 

現在現場が進行中の鎌倉のHouse-Sのフローリングはグレー系。

acaaではおそらくはじめて使う色になります。

(写真左から、ホワイト系、チーク系、ブラック系、グレー系)

寒色系がお好みでしたのでグレーを提案してみました。

ちなみに、フローリングの樹種は「北海道産のセン」です。繊細な木目が特徴で塗装する前はかすんだベージュのような色の木材です。

 

さらにさらに、このフローリングの塗装にも一工夫?が

左から、一回塗り、二回塗り、そして右側は「北海道産タモ」の二回塗り になります

二回塗りですと、塗料がべたっと付着しているような雰囲気になり、自然ではなかったので、一回塗りとしました!

また「北海道産タモ」はもともと赤味のある樹種ですので、グレーの塗料を施すと、すこし不気味な色に、、。

樹種と塗料で、まったく色味が異なるのです。

 

そして、家具や建具に使用する木材も様々です。

よく採用する材は、カウンターは集成材、収納棚などはシナorラワン、建具の枠はツガ(現場によって変更することもあります)

様々な木材を使う→もともとの木の色が異なる→同じ塗料でもバラバラな色味になる

といった具合で、毎回物件ごとに実際に使用する木材を使って、塗料のサンプルを作ります。

(簡単そうに見えるこの作業、気付くとすぐ時間経ってしまいます笑)

 

そんなわけで作成した塗装サンプルです↑↑

オイル塗装を扱っているメーカを3社ほどピックアップし、グレー系の塗料を集めました(同じメーカーでもグレー系を4,5種類くらい色展開しているところもありました、、)

 

写真上がラワン合板、中央がツガ、中央右がベイマツ、中央下がシナ、左下が集成材です。塗料の吸込み方も違いますし、実際に塗ってみてわかることがたくさん。

 

完成はどうなるのか!??

竣工レポートをお楽しみに!!

あけましておめでとうございます&House-K竣工レポート

2025年、あけましておめでとうございます!

本年もacaaを皆様どうぞよろしくお願い致します。

 

お久しぶりの投稿になる坂井です。

2024年は色々と新しいお仕事を頂き、挑戦の年でした。

 

コロナ禍が明け、日本のインバウンド需要が高まっている昨今、

弊社でも、インバウンド向けのホテルのデザイン監修が、

只今、都内で2件程進んでおります。

 

インバウンド向けホテルにおけるマーケティングや、

民泊事情、さらには「Not a Hotel」等の新たなビジネスなど、

周辺の情報を知るよい機会となり、

また、いつもとは違うご関係者様とのチームワーク作業で、

とても刺激的な時間を過ごさせて頂きました。

 

弊社では以前から、3D CADを導入しており、

今回のようなデザイン監修の場においても、

協力会社様との強力な共有ツールとして、力を発揮しています。

 

ホテルの販促のためのCGパースやムービー等も、

新しい専用のソフトを導入して、作成に取り組んでいます。

 

そのために、事務所にはハイスぺパソコンがずらり!

NVIDIA万歳\(^^)/ もう少し安くなりませんか\(^^)/

 

昔は、模型を夜な夜な作っておりましたが、時代はDX!

時流に乗って、新しいテクノロジーと共に、

新しいお仕事に日々挑戦していきたい所存でございます!

 

さて、ここからは私が担当しておりましたHouse-Kの竣工レポートと参りたいと思います!

まずはアプローチから。

 

玄関扉の手前に、木製の格子戸をセキュリティーも兼ねて製作しております。

木製の引き戸はかなり重量があり、今回は防犯ガラスも間に挟んでいますので、

レールは重量タイプのハンガー式でソフトクローズタイプを選定しました。

これで、開け閉めも安全に、快適に。

 

こちらは夕景。

 

格子の木製引戸は、こちらでディテール図面を引いて、

建具屋さんに製作頂いた、100%オリジナルです。

手を掛ける場所は塗装が剝がれやすいので、

目立たないように黒のアルミチャンネルを仕込んでいたり、

お施主様の希望であるカエルのアイアンアートを取り付けるために、

作品のサイズに合わせて、引き戸の横桟の位置を調整したり、

格子をそこだけ切り抜いたりと、細かな調整をしております。

 

玄関の前には、建築の基礎の延長で作ったベンチがあります。

玄関の鍵を開ける際に、荷物を一時的に置けたりします。

ベンチはコンクリートですが、角を丸くして、座っても痛くない配慮をしています。

 

中庭

こちらは中庭です。

弊社ではよく採用する手法ですが、基礎工事で出た残土を利用して、

庭に築山を作り、自ら地形を作っています。

 

中庭の丘を登った先には縁側があり、さらに向こう側に子供部屋があります。

玄関を通らず、子供部屋に行けるショートカットルートがあるのは、

子供心には、ぐっときそうです。

 

私の子供時代にも、近所に縁側のあるおうちがあり、

そこは大人の知らぬ間に自由に遊びに出入りでき、遊びに行きやすかったので、

こういったことは、以外に子供の心理的に重要だったりするのではと思うことがあります。

現代のnLDKのおうちでは、難しいですが。

 

中庭からリビング・キッチンを見る

左側の階段を昇れば中庭からキッチンへ。

さらに階段を上ると2Fテラス→一番奥の部屋にもつながっており、

らせん状につながるスキップフロア構成になっています。

 

この2Fテラスへアプローチする階段はお施主様のご提案で、

最初のプレゼンテーション時にはなかったものになります。

この階段ができることによって、キッチンから2Fテラスへの導線が短くなり、

テラスに椅子やテーブルを出して、ゲストや家族と食事をする等、想像が膨らみ、

生活と外部空間がより密接なものへとなりました。

 

キッチンから2Fテラスに上がる階段

空間も1つの導線によってつながり、構成的にもかなり面白くなりました。

 

2Fテラス

こちらが2Fテラスです。

テーブルや椅子を広げるにも余裕のある広さがあります。

夜は、都会的な夜景も楽しめます。

さて、ここからは内部空間です。

こちらは玄関です。

 

左手には、座って靴を履けるようにベンチを製作。

壁の仕上は、銀もみが紙という和紙を貼っています。

光を受けると鈍く光る昔からある伝統的な素材です。

 

濃紺の壁は漆喰壁で、左官職人さんに調合して頂いた色です。

こちらは暗い色にはなりますが、

黒とは違い、濃紺は深海ように奥行感を感じる色なので、

その効果を狙って、よく使います。

 

正面のRに仕立てた壁にはニッチを作り、飾り棚としています。

 

また、組子障子と丸窓をどこか作りたいというご要望を頂きましたので、

R壁のエンドに組子障子をはめ、障子の向こう側に半円状の丸窓を作り、

中に照明を仕込んで丸窓を浮き上がらせる演出をデザインしました。

 

なかなか普段は使えませんが、組子障子を入れることによって、

空間の解像度がぐっと高まった気がします。

柄も多種多様にあり、既成サイズですと手が出せない程、高額ではなかったので、

またどこかで機会があれば使いたいと思いました。

 

こちらは、通常であれば、階段の踊り場に当たる部分ですが、

4畳ほどの空間を取り、ここも1つの居場所として作っています。

ソファーに座れば、窓から中庭が見え、リビングから程よい距離にありますので、

読書をしたり、昼寝をしたり、1人で静かに過ごす場所としてぴったりです。

 

右手は縁側、左手は子供部屋になります。

お施主様のご要望で、ボルダリングの壁と雲梯を設置しました。

建築工事で下地を入れておいて、あとは専門業者の方に設置して頂きました。

子供部屋は天井高さが3m程ありますので、見ている方は怖いですが、

垂直の壁なので、難易度はこれでも易しめなのだとか。。

 

こちらは、ダイニングキッチン。

右手には、中庭を見渡せる大きな大開口があります。

こちらの窓も図面を引いて大工さんにつくてもらったオリジナルの窓になります。

 

ちなみに、キッチン家具もシステムキッチンではなく、

こちらで図面を引いてデザインしたオリジナルです。

製作ですので、引き出しの奥行や高さ等も、

ご希望があれば、細かくヒアリングして自由に作成することができます。

 

ダイニング横にある階段を上がると、ソファースペースが広がります。

この階段も昇降の手段だけではなく、座ったりもできるので、

人が集まったときには、居場所になります。

 

こちらがソファースペース。

休日は、家族でソファーに寝転がって体を休めることが多いという話から、

数人寝転がることもできるソファーを造作家具で作りました。

 

天井はソファーに向かって低くなっており、

座ったときに居心地のよい高さになっています。

天井高さは高いところで190cm、一番低いところで150cm程度です。

数字だけ聞くと低すぎるのでは?!と思われるかもしれませんが、

実際に座ってみると、不思議とちょうどよいですよ。

このあたりもかなり意図的に設計しています。

 

ソファーの正面には、大型TVを壁掛けに。

ソファーで横になり、映画を見ながらゆっくり過ごせそうです。

 

TVの横の時計も、弊社オリジナル。

左官壁を背景にした時計で、空間に溶け込んでいます。

大き目に作っているので、リビングダイニングのどこからでも時間が確認できます。

 

天井は天然の木目シートを貼っています。

Rの複雑な形の天井なので、貼るのに苦労したそうです。。

 

ソファーの間から振り返りの写真です。

右手の壁は、見事な特殊左官仕上げ。

お施主様と左官職人さんでイメージをすり合わせて完成した力作です。

はじめは版築壁の予定でしたが、

途中から私たちの手を離れ、お施主様にディレクション頂きましたので、

私たちも完成するまでどんな壁に仕上がるのかドキドキでした(笑)

とても躍動感のある、力強い壁が完成しました!

 

左官壁の渡り廊下を抜けると、障子に囲まれた4畳半程度の空間があります。

どの部屋からも距離感があるので、一番静かに過ごせる空間です。

上げ下げ障子に3方囲まれており、

夜は中庭やリビングから見ると行燈のように浮かびあがるようにデザインしています。

 

ゲストルームとしても利用できますし、

テレワーク等、仕事スペースとしても使える空間となっています。

 

入口は躙り口のようなRの開口となっています。

左官壁は室内まで連続して、色が変化しています。

 

1Fに戻りますが、こちらが主寝室です。

L型にカウンターをまわして、ちょっとした書き物や読書もできるようになっています。

アルミサッシは障子で隠れるようになっており、窓からは庭の緑が楽しめます。

 

正面の壁は写真では分かりにくいですが、土壁の割れ壁です。

白い壁も調湿性のある和紙ですので、安眠できそうな空間に仕上がりました。

 

最後に、こちらが洗面・浴室の水回りです。

洗面右手には、製作で作った2連のバスタオル掛けがあります。

家族4人分が干せて、大判のバスタオルでも広げて干せるように設計しています。

浴室にも製作で物干しパイプを計画して部屋干しも可能に。

モザイクタイルはお施主様に選定頂いたものです。

洗面から浴室にタイルが連続するようにFIX窓もこちらでデザインしています。

 

浴室の外には、造園家に作庭頂いた坪庭があり、

照明はろうそくの火のようにゆらぎを再現した行灯が置かれています。

浴室のダウンライトには調光がかかっていますので、

明りを絞って、行燈の光で入浴すると一日の疲れがゆっくりと癒えそうな空間に仕上がりました。

 

いかがだったでしょうか。

こちらのおうちは、設計中に色々とお施主様から頂いたご要望をきっかけに、

私たちのアイディアもどんどん発展していたおうちでしたので、

設計中も楽しくお仕事させて頂きました。

お施主様とは、とても良い意味で協業できた住宅となったと思います。

 

この度はこのような機会を頂き、ありがとうございました。

 

!HOUSE-H竣工レポート!!

お久しぶりです…!

 

担当物件が竣工したのでブログブログ…と思って記事の管理をしていたら

前回の更新が去年の年末、、。

暑い夏を耐え、あっという間に寒くなり、今年の忘年会どうする?みたいな話題を所内でしてまして、え、もう一年経つの!?とビックリした早川です。

 

そんな今年の夏は日本でおそらく一番暑いであろう、埼玉で現場が進行しておりました。

夏の終わりに竣工し、竣工写真も撮り終えましたので、随時HPにアップしていきたいと思います!その前にブログにてご紹介させてください。

 

まずは外観から

2つの切妻屋根型のボリュームが連結していおります。

この手前のボリュームは中二階になります。

外観

手前に見える、土間コンは、よく街中でみかけるつるっとした「金鏝仕上げ」ではなく

「コンクリート洗出し仕上げ」というものになります。

コンクリートの中には小粒の石が入っておりまして、コンクリートが硬化するまえに水で洗出すことで、小粒の石を浮き出たせる手法です。

今回は職人さんに、たくさん洗出してください!とお願いしたところ

とてもよい雰囲気になりました!職人さん、ありがとうございます!

 

サビ加工された御影石の上をすすみ、アールが特徴的なポーチへ、、、

ポストはacaaおなじみの家型です✨

 

軒天と壁が大きなアールでつながっていたり、壁がアールでくりぬかれていたり・・

包み込まれる空間。

 

この塗り壁はモルタルにガラスを埋め込み少し掻き落としております。

ガラスの色は青と緑で、爽やかに✨

 

白地の塗り壁に青と緑、くりぬかれたようなアールの造形が相まって、私は勝手にギリシャサントリーニ島を想像しておりました(行ったことないですが・・・笑))



玄関へ入るとすぐ脇に謎の扉が…

 

開けると、姿見が登場します。

他の壁と同じような見た目にしつつ、インターホンのニッチともコンビネーションをする、、工務店と金物など協議し、イメージ通りに出来上がりました!(嬉しい!)

ちなみに、そんな大変なことをしないで、姿見を壁に素直に貼ればいいんじゃない?と思う方もいるかも・・・

ここは、各個室に向かう通過導線になるのですが、通るたびに自分の姿が見える、というのはなんだかストレスになりませんか?

出かける前に全身が確認できる場所にあり、かつ使うときだけ登場する、というようにしたくこのような形になりました!

 

一階は個室がつづきます。

階段を上って、中二階にいくと、ご主人のワークスペースかつ、寝室へ。

写真左側の壁は銀の襖紙、その他は濃紺の和紙になります。

二階のキッチン・ダイニング空間へ行く導線の途中に、がらっと雰囲気の変わった空間が登場します。

 

振り返り、二階へ。

 

 

階段を登り切った所から中二階を見るとこんな感じに↓

この切妻形状の天井に、濃紺の和紙、白のクロスが切り替わっている感じが、かっこいいなと思っています!

天井から吊り下がっているのは、カーテンレールになります。

 

キッチン・ダイニング空間↓

写真右手の白いパネルは「輻射式冷暖房」というもので

室外機で冷水または温水をつくり、パネルに循環させて空間の温度を調整します。

エアコンやヒーターのように風や温風が出てこないので、空調の風が苦手!という方には適した空調設備かと思います。

撮影時は夏でしたので、パネルに近づくと、少しひんやりと感じました。

輻射式冷暖房は、エアコンのようにつけたらすぐに空調が効くものではなく、ゆっくりとじわじわと空調していくものですので、一日中つけておくというイメージでしょうか。

急な温度変化は体にもお家にもよくないので、どちらにも優しい空調です♪

 

また、このお家ではガラスブロックを採用しました。

ガラスブログを介して入ってくる柔らかい光がとても心地よいです。


今回も紹介ポイント盛り沢山なおうちになりました~☺

以上、HOUSE-H竣工レポートでした!

House-I竣工レポート

横浜House-Iが昨日、竣工しました!

新居でクリスマスと新年を迎えられるというのは気持ちがよいですね✨

さっそく写真多めで、竣工レポートをお送りさせていただきます!

 

旗竿敷地を進んでいきますと

丘で造られたアプローチが迎えてくれます。

どうしても地面と建物は5,60cmの段差が生まれてしまいます。

コンクリートを打って、タイルで仕上げることもありますが

今回は、丘を作って段差を解消しています。

 

 

引渡し日に植栽屋さんに入ってもらい木を植えてもらいました。

木が入ると一気に奥行感がでてきます。

玄関は写真中央右のデッキ空間です👆

 

離れからみたデッキ空間

半屋外のリビングですね。

リビングの延長の空間になるので、床とデッキがフラットになるように、ディテールを考えました!

このデッキ空間を伝って「離れ」にいきます。

 

リビング空間は暖かいチークカラーでインテリアでまとめておりますが

「離れ」はブラックと濃紺のシックなインテリアにしています。

 

床の間のように長押を造って遊んでみました。

黒皮鉄の素材感が◎

 

↑(斜めの壁と、その横のボリュームは収納、エアコンボックスになってます)


広さは4畳、天井高さは185cm

コンパクトですが、正真正銘の離れですし(笑)落ち着きがあり、特別感のある空間です✨

 

キッチン、リビング空間です↓

 

アイランドキッチン↓

 

真鍮でできたペンダントライトはお施主さんセレクトです。

暖かいインテリアカラーにばっちりです。

 

そしてこのダイニングは吹き抜け空間になっています。

 

リビングから中二階を見る↓

 

キッチンの勝手口をでるともう一つ、デッキの半屋外空間が。

半屋外なので、季節によっては食材を置いたり

パントリー的な役割でキッチンを補完しています。

 

そしてこのデッキ空間を伝って、洗面・浴室へいきます。

洗面と浴室を合わせて4.5畳ほどの離れでして

白木を基調としたインテリアにしております。

 

高野槙とグレーのタイルを使用し、旅館のような雰囲気の浴室に。

リビング空間から、一度外へでてから向かう浴室は特別感があります。

 

そしてリビングから見える大階段を上ると中二階へ。

スキップフロアの家です。

 

踊り場からみた中二階↓

お隣さんのお庭がちょうどよい借景になっていまして

松や梅がみられます。

このフレームレスな出窓は

L型やコの字型のスチールの部材を組み合わせて溶接をし、枠を作っています。

 

踊り場を見る↓

 

踊り場に「畳」を。

通常であれば通過導線となってしまいますが、すこし広さを造って

床の仕上げを変えてあげるとつい、座ったり寝っ転がったりしたくなります。

 

そこにイサムノグチのペンダントライトを。

ほっこりします。

 

 

そして二階に上がると、個室があります。

個室の掃き出し窓から外を出ると、デッキが敷かれた屋上が!

この屋上は離れと洗面所の屋根の上になります。

(結構複雑なプランの家なのです…)

日当たりがとても良いので、布団を干したり、、、etc

スタッフの立石は日向ぼっこしてました。笑

 

和紙と名栗のフローリングの個室があったり

(最近、名栗のフローリングが人気です。裸足で歩くと気持ち良いですね)



デザインガラスで囲まれた洗面があったり

二階もバラエティーに富んでます。

 

デザインガラスの納まりは岸本さんにダメ出しをくらいながら(笑)

何度もスケッチを描いて、大工さんにお願いしました。

きれいに納まって嬉しいです。(懐かしいですね…)

 

中二階からみるとこんな感じになっています↓



そしてこのお家には屋上にあがるためのペントハウスがあります。

イサムノグチペントハウスの天井から高さ3mほど吊っています)

 

階段を上がって振り向く↓


私はコックピットみたいだなと感じております。

こちらのフレームレスなガラスも出窓と同様、スチールで造ったオリジナル窓です。

 

屋上からみるとこのようになっております↓

 

遠くの緑を一望できる屋上です。

こちらにも幅広の階段がありまして、腰掛けることができます。

 

離れが2つにスキップフロア、吹き抜け、ペントハウスに屋上、、

とてもバラエティーに富んでいます!

 

どのように住まわれるのか、とても楽しみなお家です。

この度はご依頼いただきありがとうございます!!

 

今年はこのブログで最後となります。

来年はもう少し更新頻度を上げたいですネ、、

 

良いお年をお過ごしください。