デンタルクリニック お引き渡しレポート

こんにちは!

acaaの坂井です。

 

今回は7月にお引渡しを致しました、

静岡県のデンタルクリニックのお引渡しレポートをお届け致します。

 

↓ 私の手違いで着工レポートをアップロードしたつもりがされていなかったので、

こちらの記事も合わせてご覧頂けると嬉しいです。

デンタルクリニック 着工レポート - acaa blog

 

さて、すでにお引渡しが完了しているものの、

まだ外構工事や植栽工事中で、外観写真がないので、

内部を少しご紹介したいと思います。

 

まずは受付から。

水色のガラスモザイクを正面に配しています。

ガラスモザイクは表面に不規則に凹凸のあるものを選んでいますので、

自然光や照明の光によってキラキラと反射して、

その自然の揺らぎが、見ていて癒される素材になっています。

患者様の緊張を少しでも緩和してくれるような効果があればいいなと思います。

素材だけを見ていてもとてもきれいなタイルでした♪

 

こちらの写真は、受付から待合を見ています。

待合は、正面の開口部から自然光が入って明るく開放的な空間になっています。

こちらの開口部は既製品を使わず、私たちの方でデザインした木製の窓になります。

植栽工事が完了すれば、窓の外は緑が見える待合になる予定です。

 

院内の家具の選定もお手伝いさせていただきました。

クリニックの待合に置かれる椅子といえば、

ベンチシートを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

ベンチシートには、たくさんの人が座れるスペースを確保するメリットもありますが、

そのベンチシートが並べてられている風景に、

なんとも”病院感”、”施設感”をイメージしてしまう経験はございませんか?

 

そこで、

コロナ禍の影響もあり、人と人との距離を保てるように一人掛けの椅子で、

できるだけ”病院感”、”施設感”をイメージさせない、

親しみのある形をコンセプトに椅子を選定しました。

 

”チューリップチェア”という椅子で、

デンマークのデザイナーがデザインした椅子です。

 

受付からエントランスを見た写真です。

 

まだ受付にPCが置かれていない写真になりますが、

PCのディスプレーが置かれる場所はカウンターを掘り込み、

患者様側からはディスプレー背面が見えない工夫をしております。

 

こちらはコロナ禍以降、

クリニックでは標準装備になったと思われる飛沫防止のための隔壁。

アクリルはすぐに傷がつくので、強化ガラスで作りました。

 

"アクリル越しだと声が通りにくい”と事務長さんから現場のご意見を頂いて、

ガラスは上部の棚まで伸ばさずに、必要な高さで止めて、

できるだけ声が聞き取りやすくなるよう配慮しています。

 

受付の奥にはカルテ庫があります。

将来的には、電子カルテに移行していくようですが、

移行までは紙カルテがまだまだ活躍するようですので、天井付近まで棚を設けました。

 

初めの提案では、棚の後ろはすべて壁だったのですが、

患者様が通る通路側に閉鎖感や圧迫感が出ないか心配と先生からご要望を頂きました。

それを受けて、棚の背面は壁で覆わず解放し、

和紙を張ったワーロンパネルを千鳥に貼って、適度な透け感と視線の抜けを作りました。

 

壁の透かし方1つをとっても、色々な方法がございますので、

ちょうどよい加減をCGパースを使いながら、

設計打ち合わせ中に意見交換して、調整していきます。

 

お施主様から意見を頂くことで、こちらのデザインも発展していくことが多いので、

おぼろげなイメージでも、言葉や事例写真で伝えて頂くことも重要になります。

 

待合の奥にある、洗口コーナーとトイレのサインです。

こういった院内のサインもこちらで図案を作成してご提案しています。

 

場所がわかるように目立ってほしいんだけど、

あまり目立ちすぎず、空間になじんでほしい。

そんな矛盾を抱えた複雑な気持ちでデザインしました💦🌞

 

こちらは診療室のサインです。

タモ材をレーザーカットして、切り文字サインを製作しました。

 

院内家具や床材に使われている木目に近い材で、製作しています。

天然の無垢板をレーザーでカットしているので、

作り立てのときにはサウナのような木のいい香りがしました(笑)

 

実際に取付た写真がこちら。

照明とセットで取付け予定だったので、

照明より出っ張らないようにサイズを調整しています。

 

診療室はこんな感じです。

治療中、診療台にあおむけになった時に、「天井の照明がまぶしい!」

そんなことにならないように、

写真ではわかりにくいかもしれませんが、

天井のダウンライトは暗くならない程度に診療台から離して配置しています。

 

さらに、

各診療室の界壁の上端にアルコーブを作りライン照明を仕込んでいて、

そのライン照明が天井を照らし、天井から跳ね返ってくる間接光で、

まぶしさをできるだけ軽減しつつ、空間全体を明るくする工夫をしています。

 

各診療室にはそれぞれ手洗いを設置して、

その場で手指消毒ができるようになっています。

 

旧クリニックでは、カウンターにソープとアルコールが置かれていたので、

家具の中にオートディスペンサーをご提案しました。

カウンター上にボトルを置かなくてすみますし、

手をかざすだけで、自動でソープとアルコールが出せるようになったので、

より衛生的に手指消毒ができるかと思います。

 

扉を閉めるとこんな感じです。

カウンターは、バーナーを治療中に使うことがあるとお聞きしましたので、

耐火性・耐薬性のある木目調の人口大理石を使用しています。

 

次は滅菌室です。

壁に沿ってコの字型にカウンターを作っています。

 

滅菌室は、治療に使った汚染器具を管理する「汚染区域」、

汚染器具を洗浄する「洗浄区域」、

滅菌したり、滅菌済み器具を管理する「滅菌区域」、

この3つのゾーンに分けて管理できることが理想です。

 

こちらの滅菌室は、コの字カウンターの各辺で、

上記の3つの区域に分けられるように考えました。

 

まずは写真手前のカウンターには、

使用済みの器具が運ばれてきて、カウンター下にはゴミ箱があります。

 

窓側のカウンターには、シンクと洗浄機があり、

洗浄した器具のパッキングまで行います。

 

また次のカウンターの折れ曲がりからは滅菌器が置かれて、

滅菌器で滅菌されて滅菌完了。

 

さらにコの字のカウンターの向かいには、

このような滅菌済み器具を保管する家具もオリジナルで製作しました↓

お忙しいスタッフの方の動線を少しでもカットできるように

反対側からも取り出すことができるようになっています。

 

滅菌済みの器具を陳列してディスプレーすることで、

お客様の目にも触れ、クリニックの滅菌に対する信頼感につながればと

ご提案させて頂きました。

 

こちらは最新のクラスBの滅菌器。

滅菌器も滅菌能力により、クラス分けがあるようで、

こちらは最上位クラスの滅菌器です。

 

滅菌器周辺には、水栓や脱塩水を作る機器や排水ホース等があるのですが、

それらをカウンターの上に設置すると雑多な感じになってしまいそうでしたので、

医療機器メーカーさんに相談してして、カウンター下に納めました。

扉を閉めると、すっきり納めることができました。

 

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続きは、植栽工事が終わり次第、撮影を予定しておりますので、

またその時に、外回りと2階をご紹介できればと思います。

 

acaaでは、住宅の設計依頼が多いのですが、

クリニックや店舗設計、その他用途を問わず、

設計をお受けしておりますので、お気軽お問合せ下さい!

 

それではまた~。よい夏休みをお過ごしください!!